魔の2歳児と天然出汁

 

 

魔の2歳児

 

という言葉。

 

聞いて知ってはいたけれど、

 

『わたしは何でも上手くやれるタイプだから大丈夫。』

 

と、思っていた。

 

実際は、違った。

 

うちの場合は、ワンオペ育児でした。

 

最近は、仕事は夫、家事・育児は妻と、棲み分けているタイプの育児をワンオペ育児というらしい。

 

いや、本当に大変ですよ。

 

大変なんですって。

 

そんなとても大変で自分が壊れそうな時に、救われた言葉は、

 

意外と、

 

『どうすれば上手な家事・育児ができるか』

 

というような内容の話ではなく、

 

お料理の土井善春先生の、

 

『一汁一菜でよいという提案』

 

や、

 

何かの冊子で産婦人科の女医が書いていた、

 

『ホコリで人は死なない』

 

という言葉でした。

 

素敵じゃないんですよ。

 

わたしを救ってくれた言葉は、どれもすごくないし、素敵ではない。

 

でも、

 

涙が出るんですよね。

 

本当に必要としている言葉と出会うと。

 

そして、

 

『そんな逆に素晴らしい言葉をよく思いついたし、よくぞ言ってくれた。ありがとう、先生。』

 

と、言いたいです。

 

育児中に読む育児書には、

 

『こうした方がいい』という素晴らしい意見や、

 

『これは避けましょう、これは与えないで、これをしないで』という不安な言葉がたくさん書いてあり、

 

・ 小さいうちに出来るだけ天然出汁で素材の美味しさを教えてあげて

 

・ 添加物はNG

 

・ 黄砂・pm2.5・紫外線に注意

 

・ 同じくらいの年齢の子と触れ合う機会を作りましょう

 

・ テレビは見せないで

 

など、言い出したらきりがない素晴らしい常識はたくさんあるんです。

 

でも、その素晴らしい常識は、実際はお母さんの首を絞めてるんですね。

 

真面目であればあるほど、お母さんはとてもしんどい。

 

わたしも、とても辛くて、子どもを寝かしつけた後に、ボーっとテレビを見ていたら、

 

「土井善春先生が、『一汁一菜でよいという提案』という本を出しましたー。」という話をしていて、

 

土井先生は、こんなことおっしゃってたと思います。

 

お母さんって、本当に大変なんですよ。

そんなお母さんたちがどうすれば楽になるか考えたら、

ご飯とお味噌汁があればいいんじゃないかと、思ったんですね。

昔の人は、そんなたくさんのおかずを食べていなくて、お味噌汁と白ご飯、お漬物、それをおぼんに乗せて食べていた。日本人の素晴らしい知恵です。

出汁も取らなくていいんです。

 

といって、キャベツを手でちぎり始め、お鍋のお湯の中に入れて、

他にも何か入れたかな?お味噌溶いて出来上がり。

 

おぼんに乗せていました。

 

そこに居場所があると・・・。

 

 

 

 

わたしが思うに、

 

美人な先生が「難しくないですよ」と、言いながら作る難しい料理も素敵ですが、

 

基本は、困った時は、お味噌汁と白ご飯。

 

それをおぼんに乗せて。

 

箸置きもあれば嬉しい。

 

あー、それでよかったんだって、思いました。

 

犬や子どもって、不安になると、母親などの足元に寄ってきます。

 

あれは、安全基地として、求めてるらしいです。

 

一汁一菜のおぼんにも、安全基地を感じることができます。

 

とりあえず、敵はいない。安心していいんだよ。あったかいな。

 

どうしようもない時、ダメなお母さんだと思われたくなくて、

 

お総菜コーナーをさまよって、あれこれ買いながら罪悪感を抱くよりも、

 

お味噌汁と白ご飯の方が、わたしはらくです。

 

逆に、お惣菜買ってもいいし。

 

だから、土井善春先生は、著書に『提案』という言葉をつけたんだと思う。

 

『お惣菜より味噌汁の方が正しい』

 

と、先生が言いきると、また、しんどくなる人が出ますから。

 

何でもいいんですよ。

 

何も出来なくても、だいじょうぶ。

 

自分を楽にしていける言葉があれば、助かりますよね。